5月下旬に入り、新型コロナウイルス感染症専門家会議が緊急事態宣言解除の目安とする「1週間の新規感染症報告数が10万人当たり0.5人」をクリアしたことで、首都圏でも緊急事態宣言が解除されることになりました。
緊急事態宣言解除に伴い、中止や延期していた政治資金パーティー開催を再検討する事務所も出てきましたので、その動向をお伝えしたいと思います。
1 選挙への影響を考えると…
しかし、コロナウイルスとどう向き合っていくのか、まだまだ先行きが見えない今のタイミングで開催を検討することは、格好の批判ネタになりえます。
一度ネット上に上がった批判は消えることはありませんので、ゆくゆくは選挙結果へも影響を及ぼすことが考えられます。そのため「手持ちの資金で次の総選挙は乗り切る」という事務所もあるようです。
2 そうは言っても日々の活動が維持出来ない
しかし、現在の手持資金で次の選挙までの政治資金を賄うことができる事務所はごくわずかです。政治資金規正法の厳しい制約の中では「借金で費用を賄うしかない」と腹をくくる事務所も出てきています。
個人献金文化が根付いていない日本では、政治資金パーティーの収入が事務所経費を補充するために許されている唯一の方法とも言えるのが実情です。
そのため、多くの事務所が経済的な影響や感染拡大防止の観点を持ちながらも、出口戦略を練っている状況ではないでしょうか。
3 開催の目安
出口戦略の一つの目安になりそうなのが、自治体が公表している指針です。
東京都では5月22日、「新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ」として緊急事態宣言解除後のイベント運営についての指針を公表しました。ロードマップでは、3段階のSTEPを踏んでの完全自粛解除を示しており、STEP毎に目安となる人数が示されています。
STEP1: 50人までのイベントを可能に
STEP2:100人までのイベントを可能に
STEP3:1000人までのイベントを可能に
※ 参照:東京都防災ホームページ「新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ」(2020-2-26)
STEP2より集会所の自粛解除を謳っていますが、来場者側の気持ちを考慮する必要があるでしょうし、自粛を要請されている事業者が残されている以上、全面解除が開催判断の目安になるのではないでしょうか。
4 感染対策と感染発生時に向けた対応
実施する場合は感染対策も欠かせません。考えられる対策を列挙してみます。
・小規模での実施
・入場人数の調整
・立食ではなくスクール形式での実施
・来場者を分散するため、2部制での実施
・マスク着用の周知
・スタッフの検温
・共有物の定期的な消毒
・対面受付はフェイスガードなどで遮蔽 など
さらには、チケットの受け渡しによる接触回避や、万が一感染者が発生した場合の対応も考える必要がありそうです。